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2012年7月25日水曜日

彼と彼女のラブラブスパンキング。(F/M)

彼と彼女のラブラブスパンキング。
(初めては、お風呂で)

 一真(かずま)は脱いだ服を洗濯機に放り込むと、秋穂(あきほ)の待つ風呂場のドアノブをつかんだ。
「一真?早くぅ」
「・・・んっ」
一真はわざとそっけない返事をしたが、秋穂はもちろん分かっている。
彼が風呂場で期待していることに。
同棲して、2ヶ月。
まだまだ何もかもが新鮮だ。漂う空気さえ、愛おしくさえある。
一真は、足りないはずの無いリンスの替えを持って風呂場に入った。
「どうしてそんなもの持ってくるのよ~っ!」
「いやっ・・・そろそろ終わりかと思って」
「そんなわけ無いじゃん。こないだ替えたばっかりだよ❤」
秋穂は言葉こそ一真を責めているようなものを選んだが、口調は言葉とは逆の感情を感じさせるものだった。
「うん?そうだったっけ?」
一真がリンスを余計にもって入った理由はひとつ。
ここでSEXしよう。
そう言いたいが為だ。
素直にSEXしようなんて言って、軽い男だと思われたくない。でも、SEXはしたい。秋穂なら言葉にしなくても分かってくれると思った。
「うふふ❤」
決して広くない湯船の中から汗を額に浮かべて、微笑む秋穂は一真が風呂場の外からそっけない返事をした時点で一真の気持ちを理解していた。
だが、一真が同じように秋穂の気持ちを理解していたかは定かではない。
「ねぇ」
「うん?何?」
二人で選んだケロリン椅子に腰かけた一真に秋穂が声をかける。
「したいの?」
薄紅色の(化粧で不自然に彩られた唇ではなく、)若さと血色の良さが無ければ成り立たない健康的な唇に人差し指だけ当てて、秋穂は確認した。答えは分かっている。
「・・・ダメか?」
「ううん。でも・・・」
「?」
一真はケロリンとは別の、カエルの軍曹がプリントされたプラスチックの桶に湯船からお湯を掬うことにかこつけて、秋穂の方を向いた。
「たまには・・・あたしのしたいSEXでも良い?」
一真に断る理由は無い。秋穂がしたいSEXがどんなものか興味もあった。一方で秋穂は内心怖がっていることを悟られまいと、一真の見えない湯船の中で両足の親指を激しく上下させていた。
「危なくなければ・・・」
「うん❤」
一真に念を押されて、秋穂は一瞬『叩き過ぎたら、どうしよう』等と思いながら湯船から出た。
「お、おい。今すぐ?」
秋穂はケロリン椅子に座ったままの一真を見下ろしながら、右手の人差し指の先を一真の目の前で前後させた。まるで欧米の母親が子供を叱るように。
「今すぐよ。それから今日一日、真君がした悪いこと、全部で幾つあると思う?」
急に秋穂の口調が厳しくなったこと、自分を『一真君』と『君』付けで呼んだことに一真は違和感を覚えたが、そういうプレイだと割り切った。
一真は湯船の中に沈めて重みを感じる桶を、頭の上で逆さに返して頭から湯をかぶった。
「ふぅうう。えっと・・・」
「めっ!」
湯を払うように首を左右に振ると、一真のやや長めの前髪が水分を含んで垂れる。その前髪の奥から秋穂を見上げる一真は、その体勢ゆえか、今まで聞いたことのない秋穂の口調からか、秋穂の言葉が子供に対するものだったからか、まるで自分が卑小な存在かのように感じた。
「今日の一真君はせっかく、あたしと一緒にお買い物をしたのに、手をつないでくれませんでした!それからちゃんと、おいしくご飯を作ったのに褒めてくれませんでした!ダメでしょ?ちゃんと捕まえていないと、いなくなっちゃうぞ」
一真は自分のしでかした『悪いこと』とやらが思いの他、甘くて安心した。
(そんなことか)
「ごめん。次は手をつなぐよ」
「お料理は?」
「おいしかった」
ここまでは良かった。問題無かった。
「反省できた?」
「ああ。出来た」
ここがまずかった。いや、これこそがトリガーだった。
秋穂は何の考えも無く微笑みながら言った一真の手首をつかんで湯船のヘリに腰掛け、そしてつかんだ手首を引いた。
「うわっ!何?何する気だよ」
「反省してるようには見えません。よって、今から一真君にはお尻ペンペンを受けてもらいます!」
「は?」
一真はすぐに自分が聞き返したことを後悔した。きっとこれこそ秋穂のやりたかったSEXなのだろうと。なのにいつまでもひとり冷めた状態で秋穂に恥をかかせたとも。だからすぐに自分もその気なのだと示すために、あわててフォローした。フォローのつもりだった。
「ご・・・ごめんなさい。ちゃんと、手をつながなくて・・・離れたくないから・・・次からちゃんとできるように・・・お尻ペンペン・・・お願いします」
慣れていない言葉を紡いだせいか、ところどころ噛んだり、つっかえたりしながらもAVで見たことあるような台詞を吐いた。それを聞いた秋穂は仕返しとばかりに冷めた蔑むような目で一真を見下ろす。
「ふ~ん。あたしと別れるのは嫌?」
今度こそしっかりと答えなければならない。一真は秋穂が与えたチャンスに飛びついた。
「嫌だよ。僕が悪かった。ごめん」
「『ごめんなさい』でしょ?」
「ご・・・ごめんなさい」
「お尻を叩いてもらう時は、『秋穂お姉ちゃん』のお膝におなかを乗せて、四つんばい。お尻を叩きやすいように膝はピンって伸ばして」
(秋穂・・・お姉ちゃん?)
一真は今まで思ったことも無い言葉が秋穂の口から出たことに内心驚きながら、言われた通りにした。アキレス腱が張ってつらい。長時間は耐えられそうにない体勢だ。
逆に、秋穂は心の底から湧き上がってくる感情を必死で押し殺していた。
(やったぁあああ!初スパだ❤ペンペン!ペンペン!いっぱい叩くぞぉ!!)
どうしても秋穂の口元が歪む。どうしても視線が一真の尻から離れない。どうしても足の裏からぞわぞわと何かが駆け抜ける感覚に抗えない。
だが、問題は無いだろうと秋穂は考えていた。この体勢なら一真は自分の顔を見ることが出来ない。どんなにいやらしい表情をしてもばれることは無い。
(そっか。今まで世のスパンカーはこんなことを楽しんできたんだ。スパンキングの体勢って絶対的にスパンカー有利なんだ。覚えとこ)
「じゃ、行くよ?」
「う・・・はい」
この一言で一真が一生懸命、空気感を壊さぬように演じていることに秋穂はようやく理解出来た。秋穂にとって一真が『演じている』ことに、いささか不満は残ったが、仕方ないとばかりにため息を小さくついて、左の手を振り上げた。
「せぇの・・・」
パーーーーッン!!!!
「ひっ!いきなり、いきなりそんな強く・・・」
「泣き言、言わない!男の子でしょ!」
パーーーーッン!!!!
 「ぎっ!」
「まだまだいくよ?」

そうは言ったものの、秋穂の手はたった2発で痺れてきた。スパンキングサイト『スパンキングLOVE』を見ながら頭の中で妄想したことと違う。
見渡すとちょうど、先ほどまで一真が持っていたカエルの軍曹がプリントされたプラスチックの桶が目に付いた。
「あは❤」
「?」
目を強くつぶって、痛みというよりも恋人に風呂場でお尻ペンペンされるという恥ずかしさに耐えていた一真は、急に秋穂がお尻を叩かなくなったので、状況確認のために目を開いた。
目が開かれた瞬間に、お尻の表面から心の奥にある懐かしくも、恥ずかしいところまで衝撃が走り、体が小刻みに震える。
パーーーーーーーーーーッン!!!!
「ひぎぃいいい!?」
「痛いでしょ?」
先ほどまでと明らかに違う痛み。広範囲にわたって与えられた衝撃。先ほどまでのものとは明らかに別次元の機械的な、温かみの無い痛み。一真はそれらが何を意味しているかまったく理解できなかった。
しかし、良く分かったことがひとつだけある。
それは自分のお尻が熱を帯びていることだ。
ひりひりとした焦がされたような痛み。つらくは無い。むしろ懐かしささえ覚える。
(いつか、どこかで同じような痛みに・・・)
秋穂は一真が頭の中の記憶をフル検索していることなど気にせず、桶を振り上げ、一直線に風呂桶を叩きつけた。
パーーーーーーーーーーッン!!!!
「あぎいいっ!!!!」
「痛い?一真君が反省できるまで続けるからね」
「いっ!いやっ!待って!待ってくれ!秋穂。あの・・・反省できた!反省できました!だから、もう・・・」
一真は自分が男らしくないと自分を蔑んだ。たった数回叩かれたくらいで『泣き』を入れるなんて。こんな自分を秋穂は嫌うかもしれない。そう思っていた。
だが、秋穂は逆だった。男らしくありたいと常々考えている一真のお尻をさらに叩く口実を見つけた嬉しさで一真をぎゅっと抱きしめたい衝動に襲われていた。ゆっくり一呼吸置いて、自分が『叱っている演技』ができる準備が出来てから口を開いた。
「もう!こんなことで音を上げるなんて、情けないね。それでも男なの?一真君が反省出来たかは秋穂お姉ちゃんが、一真君のお尻を見て決めます!」
パーーーーーーーーーーッン!!!!
「いぎいいっ!!!!」
「分かった?分かったらお返事をしなさい!」
パーーーーーーーーーーッン!!!!
「あいぃぃいっ!!!!」
「お返事は?一真君」
パーーーーーーーーーーッン!!!!
「あぎぃぃぃいいいっ!!!分かりましたぁああ!!一真が反省出来たかは、秋穂お姉ちゃんが決めてくらはいいぃぃぃいいい!」
「うん❤」
パーーーーーーーーーーッン!!!!
パーーーーーーーーーーッン!!!!
パーーーーーーーーーーッン!!!!
結局、彼は何回お尻叩かれたのだろう。
一真は、ついに秋穂に指摘されるまで自身の変化に気が付かなかった。秋穂が気が付いたのはいつからか?
実は秋穂も一真に
「もう、立って良いよ。次からは良い子にしようね❤」
と声をかけて、頭を撫でるまで夢中で気が付かなかった。
一真が勃起していることに。
「あはっ❤」
「ちがっ・・・これは違うんだ!」
「何が?何が違うの?一真ぁ」
「いや・・・その・・・」
「男らしい一真だもんね?ばらされたくなかったら・・・分かってるよね?」
風呂上りに一真は、秋穂の指示でズボンもパンツも穿くことを許可してもらえず、赤く腫れたお尻を出したまま、テレビの横に『気をつけ』の体勢で立たされた。
(どうして、こんなことに)
一真は、困惑というよりも秋穂の脅迫ともとれる言動に苦悩していた。
そんな一真の気持ちを知ってか知らずか、秋穂は笑いながら年末特番を見ていたが、それにもすぐに飽きたようで一真のお尻を写メに撮った。
そして、写メを添付したメールを一真の携帯に送る。
んで、んで、んでぇ♪・・・はっぴぃ にゅう にゃあ❤
一真の携帯が、秋穂からのメールが届いたことを知らせる着信音が鳴り響く。
「取って、見ても良い?」
「もちろん」
一真は秋穂に許可を取って、下半身だけが裸と言う無様な格好のまま、携帯を見た。
そこには一真の赤いお尻の画像とともに、こんな言葉が書かれていた。
件名:一真のこと、だぁ~い好き!
本 文:今日は付き合ってくれてありがとう。安心してね。さっきお風呂で脅したことも、今立たせてることも、全部『演技』だから。プレイだよ。プレイ。誰にも 言わないから、秋穂のことも誰にも言わないでね。もうお尻しまって、いつもの男らしい一真に戻って。いっしょにテレビ見よ?ね?一真が大好きな秋穂より❤
一真はまだお尻の痛みを覚えたのがいつなのか、思い出せない。
次回、秋穂に叩かれれば思い出せるかもしれない。 
(終わり)


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